共有状態解消信託 ~研修会から~
~本多が講師を務めた10月22日
日本FP協会福岡支部継続研修会から~
不動産の共有
ブログ「不動産の共有」でもお話ししましたように
不動産の共有にすることは
どうしても必要な場合を除いておすすめできません。
実際には相続や贈与の結果、
共有となっている不動産は多くあると思います。
共有にすることのリスクは
共有者の足並みがそろわなくなると
売ったり貸したりが難しくなること、
年数が経つと、それぞれに相続が発生して
共有者が増える=ますます足並みがそろいにくくなることです。
誰か一人が、他の人の持分を買い取る、
贈与を受けるなどして共有を解消できればよいのですが、
買い取る資金や税金の問題で難しいかもしれません。
そういうとき考えられるのが
家族信託の活用です。
共有状態解消信託
足並みがそろううちに、
共有者全員を委託者兼受益者として
共有不動産を信託してしまいます。
不動産の処分権限を受託者に与えておけば
受託者は自分の判断で
不動産を売ったり貸したりできます。
以前の共有者の同意は必要ありません。
以前の共有者だった受益者は
不動産の収益、売却代金といった
経済的利益を受けることになります。
そして、以前は全員で一つの所有権を共有していたので
身動きがとりずらかったのですが
信託すると各自は別々の受益権を持つことになります。
受益者が死亡すると、信託契約に定めがなければ
相続人が受益権を相続し、受益者は増えていくかもしれませんが
受託者の管理・処分権に影響はありません。
一部の受益者が相続でもめても
やはり受託者の管理・処分権に影響はありません。
共有をそのままにすると、
将来、子孫が困ることになるかもしれません。
全員の足並みがそろううちに、
信託で備えることも検討してはいかがでしょうか。