前回に引き続き、家族信託が取り上げられた

2月28日NHKテレビのクローズアップ現代+について

私なりの補足をしたいと思います。

 

「家族信託では、関係者全員が話す場を作るのがルール。」

 

→ もちろんそれが理想ですが、財産を託す・遺す人の

意思を優先させることもできます。

 

例えば、親と子全員が、親の財産について

今後の管理や承継について話し合い

信託を設定できれば理想的です。

(遺言作成の場合でも同じだと思います)

 

しかし、親が、親孝行の子と親不孝の子に差をつけたいと思ったとしても

それはそれでおかしな話ではないと思いますが、

差をつけられた子は同意しないかもしれません。

 

その場合でも、財産を遺す親の意思を優先して

親と一部の子のみの話し合いで信託契約を結ぶことは可能です。

(これも親の意思のみで遺言を作成できるのと似ています)

信託は委託者と受託者の2者の契約で成立します。

信託契約

 

差をつけられた子はいい気持ちはしないかもしれません。

しかし、後にトラブルになるのは、遺言も信託もしないで

親の死亡後、子がお互いに自分の主張をぶつけ合うときだと思います。

 

遺言や信託で親の意思が示されていれば、

不本意でも子は従うこともあると思います。

 

番組の中でも、遺言について

「ないよりあったほうが絶対いいと思います。」とコメントされていました。

これは信託についても同じです。

 

家族全員が納得できるよう努力は必要でしょうが、

それができないとき、何もしないよりは

遺言や信託で自分の意思を遺しておく方が

後のトラブルを防げる可能性はずっと高いと思います。

 

遺言も信託も判断能力がなくなってからはできません。

元気なうちに考えてみてはいかがでしょうか。

 

次回に続きます。

角田・本多司法書士合同事務所