前回の続きです。

今回は、遺言がある場合の必要書類です。

まず、不動産がわかる資料です。
これは遺産分割協議をする場合と同じです。

被相続人について必要な書類

1 遺言

公正証書遺言ならそのままで使えますが、
自筆証書遺言なら、裁判所で検認の手続きが必要です。

2 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本

被相続人が死亡して初めて遺言は効力を有します。
被相続人の死亡を証明するものです。

不動産を取得する人に必要な書類

1 戸籍謄本または抄本

不動産を取得する人は生存している必要があります。
また、遺言に「長男○○に相続させる」と書いてある場合、
戸籍には父母の氏名と長男か長女かなども記載されていますので、
遺言の「長男○○」に違いないことが証明できます。

2 住民票

登記簿に記録される住所・氏名の根拠となるものです。

以上が、必ず必要となる書類です。
事情によっては、さらに他の戸籍などの書類が必要となることがありますが、
少なくとも、遺産分割協議をした場合と違って、
他の相続人から、実印や印鑑証明書をもらう必要はありません。

やはり、遺言があると、手続がスムースにできます。
遺留分の問題は残りますが、
遺言があれば、まずはその内容どおりに手続ができます。

角田・本多司法書士合同事務所