不動産を所有している人が死亡したとき、
不動産の名義変更はいつまでにしないといけないでしょうか。
答えは、いつまでという決まり(法律の規定)はありません、です。

相続税は死亡してから10カ月以内に、
申告して納税が原則となっているようです。
(相続税が課税されるだけの遺産があった場合ですが。)
でも、登記による名義変更は期限はありません。

ですから、世の中には、何十年も前に亡くなられた人の
名義になったままの土地や建物が結構あります。
「自分の住んでいるところの土地は、
死んだおじいちゃん名義のままだ。」
という話は、意外と多いものです。

そのまま、その人の子供、孫、ひ孫・・・と子孫が住み続けるならば、
何も問題がないかもしれません。
しかし、ひ孫の代になって、この土地を売ってよそに引っ越そうと思い、
法務局で調べると、ひいおじいさんのまま。
ひいおじいさんには子供が5人、その子供には各2人ずつ子供がいて、
さらにその子供にはそのひ孫も含めて各2人ずつ子供がいる・・・
ひ孫たちは20人いることになります。
死んだひいおじいいさんの名義のままでは売却できませんから、
相続で名義変更するには、孫たちまでが死亡しているとしたら、
ひ孫20人で遺産分割協議をする必要があります。

ひ孫同士が親密にお付き合いしていることは少ないと思います。
他人と変わらないくらい疎遠になっているひ孫20人で
遺産分割協議がまとまるでしょうか?

もし、ひいおじいさんが亡くなったとき、
子供5人で遺産分割協議をして、名義を誰か1人に変更して、
その子供が亡くなったとき、
その子供2人で遺産分割協議をして、名義を誰か1人に変更していれば、
その子供が亡くなっても、その子供の2人で遺産分割協議をすればよいのです。
(事案を単純にするために配偶者は入れていません。)

私が経験した中で、戦後すぐから名義変更していなくて、
現在、相続権のある人が80名を超えていた例もあります。
80名から印鑑と印鑑証明をもらうとなると気が遠くなります。

相続による不動産の名義変更は、
いつまでにしないといけないという期限はありませんが、
やはり、不動産の所有者が死亡したら、
その都度、遺産分割協議をして、名義変更をしておくことが大事だと思います。

北九州とその近郊で、不動産の相続による名義変更は、
まずは、当事務所にご連絡ください。

角田・本多司法書士合同事務所