昨年、贈与を受けた、不動産を売却した方で
特例などで課税されない場合でも
税務署に申告が必要となります。

※ 下記は概要です。 詳しい要件、申告の方法は
 税務署や税理士に必ずご確認ください。

1 贈与税の特例

昨年1年間に贈与を受けた方の
贈与税の申告は、2月1日から3月15日までです。

1年間に贈与を受けた財産の総額が基礎控除の110万円以内ならば
贈与税は課税されず、申告の必要もありません。(暦年課税)

110万円を超えた場合でも、一定の条件を満たすものについて
特例で贈与税が課税されないものもありますが、
贈与税の申告期間に申告、届出などが必要です。

代表例としては・・・

① 相続時精算課税の選択

65歳以上の親から、20歳以上の子(子が死亡している場合は孫)が
贈与を受けた場合、一定の要件を満たして
暦年課税ではなく相続時精算課税を選択すると
2500万円を限度として控除を受けることができます。

つまり、2500万円までの贈与であれば贈与税は課税されませんが、
贈与のあった次の年の申告期間内に、「相続時精算課税選択届出書」を
税務署に提出するなどの手続きが必要です。

② 住宅取得資金の贈与についての非課税

親や祖父母から、住宅取得のための資金の贈与を受けた場合で
一定の要件を満たすと、一定限度額で非課税となります。
(平成24年は1000万円)

やはり、非課税となるために
贈与の翌年の申告期間内に特例を受ける旨の申告が必要です。

③ 夫婦間の居住用不動産の控除

婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用不動産、
またはそれを取得するための資金の贈与がされた場合、
一定の要件を満たせば最高2000万円までの控除が受けられます。

2000万円+基礎控除110万円=2110万円の範囲ならば
贈与税は課税されないことになりますが、
その場合でも翌年の申告期間に贈与税の申告が必要です。

2 不動産の売却(譲渡)の特例

昨年1年間に不動産を売却した場合、
収入金額-(取得費+譲渡費用)=譲渡所得がプラスになる場合、
譲渡所得として今年の2月16日(曜日の関係で実際は18日)から
3月15日まで
の期間に確定申告が必要です。
(マイナスの場合は課税されず申告の必要もありません。
建物は減価償却にご注意ください。)

プラスになったとき、要件を満たせば特別控除や特例がありますが、
控除や特例で課税されなくなる場合でも
上記期間に確定申告が必要となります。

代表例としては・・・

① 居住していた家屋、家屋とその敷地を売却したときの特別控除

住んでいた家屋、または家屋とその敷地を一緒に売却した場合、
最高3000万円までの譲渡所得の控除があります。

住まなくなって3年目の12月31日までに売却することなど
いくつかの要件があり、これらを満たして控除を受ける結果、
譲渡所得がないこととなる場合でも、確定申告が必要です。

② 特定のマイホームの買い換えの特例

マイホームを買い替えた場合で、一定の要件を満たすと、
譲渡所得に対する課税を将来に繰り延べることができます。

例えば1000万円で取得したマイホームを5000万円で売却し、
新しいマイホームを7000万円で取得した場合、
特例を受ければ売却による4000万円の譲渡所得への課税を
将来、新しいマイホームを売却するときまで繰り延べることができます。

その他、一定の要件を満たした場合、
マイホームを売却して生じた譲渡損失を、他の所得と損益通算したり、
翌年へ繰り越したりできることがありますが、
この場合も、確定申告が必要です。

昨年、贈与を受けた、不動産を譲渡したという方、
今一度、申告等の必要がないかご確認ください。

角田・本多司法書士合同事務所