※ 平成27年から一部改正されています。
 ご注意ください。

相続について色々とお話ししてきましたが、
今日は、相続と贈与の税金について
かかるかかからないかと、控除の特例について
お話ししたいと思います。

※ 以下はあくまで概要です。
実際の課税や申告については
税理士や税務署に必ずご確認ください。

1 相続税

考え方
① 死亡した人(被相続人)の遺産に、一定のものを加算、控除します。

 ・ 民法上、相続財産とならないものでも、
  死亡前3年前に贈与された財産、
  被相続人が保険料を負担していた生命保険金など、
  加算されるものがあります。
  
 ・ 生命保険金は、(500万円✕法定相続人の数)が非課税です。
 ・ 被相続人の債務、葬式の費用など、控除できるものがあります。

② ①の結果が基礎控除額を超えていれば、
  超えた部分が課税遺産となります。

 ・ 基礎控除 → 5000万円+(1000万円✕法定相続人の数)

   例) 夫が死亡し、法定相続人が妻と子2人のとき
      5000万円+(1000万円✕3)=8000万円
     夫の残した財産について①の計算の結果が8000万円を超える場合、
     超えた部分に対して課税されます。
     超えなければ相続税はかかりません。

   ※ 基礎控除が比較的大きいため、全死亡者数に対して
    相続税の課税される割合は約4%程です。

③ 被相続人の死亡を知ってから、10ヶ月以内に、
  申告、納税をしなければなりません。

   ※ 遺産が基礎控除額を超えず納税の必要のない場合は
    申告の必要もありません。
   
※ 配偶者は取得した遺産が、法定相続分または1億6,000万円を超えなければ
     相続税を納める必要はありませんが、
     この控除の結果、課税されない場合は、申告が必要です。
     

2 贈与税

① 暦年課税

 ・ 一人の人が、1月1日から12月31日までの1年間に
  基礎控除110万円を超える贈与を受けたとき、
  110万円を超える部分に課税されます。

  → 1年間に受けた贈与が110万円以内なら
    贈与税はかかりません。

  ※ 相続税と比べて基礎控除が小さいため、
   贈与する前に課税されるか確認されることをお勧めします

② 相続時精算課税制度

 ・ 65歳以上の親が、20歳以上の子に贈与する場合、
  2500万円を限度として特別控除を受けることができます。
 (年齢はその年の1月1日現在で判断)

 ・ 1度この制度を選択すると、同じ親からの贈与について
  ①の暦年課税にもどすことはできません。
 ・ この制度を選択する場合は、贈与を受けた翌年の2月1日~3月15日に
  税務署に贈与税の申告書と、
  この制度を選択した旨の届出書を提出しなければなりません。
  また、その後同じ親から贈与を受けた翌年も申告が必要です。
 ・ その親が死亡したとき、この制度を選択してから贈与を受けた財産を
  遺産に加算して相続税を計算します。

 ※ この制度は、相続税の基礎控除枠の先取りとも言えますが
  その親について、贈与受けた財産+遺産が相続税の基礎控除額を超えなければ、
  結局、贈与税も相続税もかからないことになります。

  逆に、通常であれば相続財産に加算されない贈与を加算して
  相続税を計算することになりますので、注意も必要です。

③ 親から子への住宅取得資金の贈与、
  夫婦間の居住用資産の贈与については控除の特例があります。

角田・本多司法書士合同事務所